エレベーターの昇降を滑らかに、快適にする油圧シリンダーパッキン
摩擦係数が低く、油漏れを起こさない極限の形状とサイズを追い求めています
油圧式シリンダーパッキンの減りの早さ、オイル漏れ、ビビリに困っていませんか?
油圧式エレベーター部品の中で消耗品の代表的なものはシリンダーに取り付けるパッキンです。パッキンはシリンダー内の作動油が漏れないようにするとともにピストンが滑らかに動くようにする役割があります。その保守メンテナンスに課題はありませんか?
ウィンテックのパッキンで悩み解消
- 摩擦係数が小さい
- 摩耗量が少なく、耐久性が高い
- オリジナルサイズが製作可能
弊社、ウィンテックが独自に開発したフッ素系樹脂を使用したパッキンは従来のゴム製パッキンと比べ摩擦係数が小さく、耐久性が高いのが特徴。ピストンの動きも滑らかになり、耐用期間も長くなります。
油圧シリンダー部品の課題
油圧式エレベーター部品の中で消耗品の代表的なものは、シリンダに取り付けるパッキンであります。パッキンは、シリンダ(円筒部分)とピストンロッド(円筒部分の内側に嵌まっていて油圧の力で伸びたり縮んだりする部分)の間を塞いで中の作動油が漏れないようにする役割と、ピストンロッドが滑らかに動くように摩擦係数を調整する役割を担うものである。そのパッキンは使用回数が増加するにつれて摩耗する。摩耗が進めばオイル漏れ等の不具合を発生させる。エレベーターの使用状況にもよるが、パッキンは2年に1回は交換する必要がある。
パッキンそのものの課題
・現状はニトリルゴム※1製のパッキンが主流だが、ニトリルゴムは摩擦係数が大きいためにエレベーターの乗り心地が悪くなったり、耐久性が良くないというデメリットがある。油圧式エレベーターでは、低速運転時に“ビビり”(パッキンスティック)と呼ばれる、不快な揺れや振動が生じる。これはニトリルゴム製のため、スタート時や停止時のようなスピードが遅い時に摩擦係数が高まり、ロッドとパッキンが密着して油切れを起こすため、“ビビリ”が発生しやすくなるからである。この“ビビり”はGAL※2という単位で測定ができ、油圧式の場合は膝を軽く踏ん張る程度の150~200GALの“ビビり”が発生する(ロープ式は100GAL)。
※1:ニトリルゴム
アクリロニトリルと1,3-ブタジエンとの共重合体である。NBRとも呼ばれる。耐油性、耐摩耗性、引き裂き強度に比較的優れるが、耐オゾン性や耐寒性が他のゴムより劣る。Oリングやガスケット等のシール材、また手袋の材料として良く用いられる。※2:GAL
加速度(単位時間あたりの速度の変化率)の単位であり、人間や建物に瞬間的にかかる力(揺れ)、を意味する。なお1ガルとは、1秒間に1センチメートルの割合でスピードが増していく状態を指す。
ウィンテックの油圧シリンダーパッキンとは
材料にニトリルゴムの代わりにフッ素系樹脂を使用したものであり、摩擦係数が少なく、耐久性も高いパッキンである。また、これまで培ってきた設計のノウハウを活かして摩擦係数が最も低く、油漏れを起こさない極限の形状とサイズを追い求めて設計しています。
【図表1】開発したパッキン(左が当社製品、右は他社製品(ニトリルゴム製))
油圧式エレベーター用の特殊シリンダパッキンを開発し、平成25年度補正予算ものづくり補助金の採択を受けて試作とテストを行っています(事業開始:平成26年12月4日、事業完了:平成27年7月31日)。
摩耗量
約300kmの走行で0.1mm(内径)
・内径125の例
リップ厚3.5mm、2mmを限界圧とし、摩耗量1.5mmとした場合
1.5÷0.1×300KM以上の走行が可能と考えられる。
ストローク5Mの場合 4,500,000÷5=900,000回
900,000回÷365日÷40回/時÷18時間運転=3.4年に相当
5年以上は品質を保つ耐久性
その設計に基づいて試作品を製作して耐久試験に取り組んだ結果、60,000回の走行試験後(1回あたり5.5m走行)に0.1mmしかパッキンが摩耗していない結果となった。摩耗代(しろ=余裕)はおよそ1.5mmなので、900,000回以上の運転に耐えられる結果となった。エレベーターの使用状況にもよるが、5年以上は品質を保つ※結果である。
①900,000回×5.5m/回=4,950,000m
※条件:1回あたり5.5m走行
②4,950,000m÷(30回/時間×15時間/日×5.5m)=2,000m
※条件:1時間あたり30回運転される、1日あたり15時間稼働する、1回あたりの走行距離5.5m、で計算した
③2,000m÷365日=5.48年 ∴5年以上の耐久性ありと判断できる
シール性(油漏れが無いこと)も、問題はありません
パッキンスティック※は減速時の目標60GAL※に対して、55GALを達成
この数値は、速さと乗り心地の両方を備えた最新型の超高層階用エレベーターの乗り心地とほぼ同等の数値である。
※パッキンスティック:エレベーター低速運転時に起きる“ビビリ” (=不快な揺れや振動)のことである。メーカー純正品のパッキンはニトリルゴム製のため、摩擦係数が高い。スピードが遅いと摩擦によりロッドとパッキンが密着して油切れを起こすため、“ビビリ”が発生しやすくなる。
※GAL:加速度(単位時間あたりの速度の変化率)の単位であり、人間や建物に瞬間的にかかる力(揺れ)を意味する。なお1ガルとは、1秒間に1cmの割合でスピードが増していく状態のことである。
環境対策
・作動油を選ばないがコンタミの管理を十分実施要
・排出屑の処理は専門業者で処理要
小ロットOK!サイズはお好みに加工します
用途やサイズをお聞かせください。打ち合わせから製作までワンストップで対応させていただきます。
資料のダウンロード
よくある質問
- 価格は?
- まずは、標準寸法の表を参照してください。オリジナルについては都度、お見積もりとなります。
- 標準寸法に無いものは独自に作れるのでしょうか?
- パッキンはご希望の寸法で小ロットにて製作させていただけます。詳しくはお問い合わせください。
- 注文してから納期はどれくらいかかるのか?
- 標準寸法のものだと1週間、オリジナルで製作する場合には3週間ほどいただいています。
その他、あらゆる油圧駆動装置にも期待されています。
医療や介護向けの製品に使用される油圧駆動装置、
介護用ロボット、災害時の救助活動に使われるレスキューロボットの油圧駆動装置、
産業機械や建設機械、航空機、食品等の油圧シリンダなど高圧下における耐久性を求められるものなど。